PITY ある不幸な男 レビュー・評価について

ここでは「PITY ある不幸な男」のレビューや評価についてまとめました。

レビュー

映画ファンや一般的な視聴者からのレビューで最も多かったのが「作品に対する不気味さ」でした。

作品全体の雰囲気を指すユーザーもいれば、主演のヤニス・ドラコプロスの演技を指す声もありました。

日本のホラー映画のような怖さ・恐ろしさではなく、「自分(一般常識)とは異なる思考の主人公に得体の知れない恐怖を感じた」というレビューが多く見つかりました。

レビューの多くで、不気味さについて語っていることから、サイコスリラーとしてはかなり満足度が高いと言えるのではないでしょうか。

次いで多かったのが、「物語の前半と後半のギャップ」です。

序盤は、主人公がどれだけ恵まれた環境にいるのか、そんな彼の妻が事故によって昏睡状態に陥ってしまうといった悲劇がメインとなっています。

しかし、物語が進むに連れて主人公の行動に違和感を覚えるようなストーリーや演出が随所に散りばめられています。その結果、自然と作品に引き込まれ、主人公の動向に目が離せなくなるようです。

本編を視聴する前には全く想像出来なかった結末に驚かされたというレビューも少なくないことから、「映画作品」としてもクオリティーが高いことがわかります。

一方、残念だったというレビューも存在します。

その多くが「時間が足りない」というものでした。

映画作品であることから決められた時間内に物語を完結させる必要があり、仕方がなくカットしてしまった部分もあるのでしょう。

特に、主人公が人間的に壊れ始めてからの思考や行動をもう少し見たかったという声が多いように感じました。

また、この作品の特徴・魅力の1つである「得体の知れない不気味さ」が合わなかったというレビューもあることから、万人受けする作品ではないのかもしれません。

しかし、ハマる人にはピッタリとハマるといった唯一性のある作品と言えるでしょう。

評価

映画業界・関係者からは、公開前から「エフティミス・フィリップ」が脚本を担当するということで一定の注目を集めていました。

実際に作品を視聴した人からは「映像と音楽の効果的な使い方」を評価する声が多かったようです。

作中で主人公にとって良い出来事が起きれば「悲壮感のある音楽」、逆に良くない出来事が起きれば「明るく幸福感のある音楽」が流れていました。

一見すると真逆に感じられる選曲が、視聴者を惹き付けていると言われています。

さらに、作中で所々で見かけることが出来る特徴的な撮影方法・撮影技法も高い評価を得ています。

2022年8月現在、有名な映画賞の獲得はしていませんが、有名な一般ユーザーだけではなく、業界関係者からの評価も高い作品となっています。